1年に1度の人間ドックは、自身の健康状態を把握するのに大切な検査ですよね。
ただしマニュアル化されているだけに、個人にきめ細かく対応できていないという側面もあります。
それを補完するのがオプション検査ですが、正直どれを選んでよいのかわからないのではないでしょうか?
今回は、オプション検査を考える上で、ヒントとなる『遺伝子検査』についてお話します。
人間ドックで検査でわかること
一般項目:血圧・貧血 のチェック、肝臓・腎臓の機能、生活習慣病のチェック
画像検査・生理機能検査:
- 胸部レントゲン:肺がん、肺炎など
- 心電図:不整脈、狭心症のチェック
- 上部消化管造影バリウム検査:胃がんを中心とした上部消化管のがん、胃・十二指腸潰瘍など
- 腹部超音波検査:腹部(肝臓、腎臓、胆嚢、膵臓)のスクリーニング・・・・がん・結石・脂肪肝など
- 便潜血反応:大腸がんのスクリーニング
婦人科・子宮がん検査:子宮頚がん
人間ドックの弱いところ
脳血管系の検査が含まれていない。
胸部レントゲンでは、骨の重なりや体格等で死角ができてしまう。
腹部超音波検査では、膵臓が見え難い。
そもそも検査の対象になっていない疾患があるなど、個人個人のリスクが高い病気に対応できてない問題があります。
そこでオプション検査を行えば、足りない部分を強化することができます。
例えば・・・・
病気は、大部分は『遺伝素因+生活要因により発病する』ため、肺がんリスクの高い喫煙者は、肺のCT検査を追加すると、肺がん検査を強化することができるというわけです。
生活要因によるリスクの増加は、一般的によく言われていることなので、容易に検討がつくのですが、遺伝素因は、家系に多いということでしか手がかりがありません。
遺伝的素因がわかっていれば、よりオーダーメイドに近づくのではないでしょうか。
オプション検査の種類
ひと口にオプション検査といっても、施設によって様々な検査が設定されています。
一般的には、大別すると以下の3つに分けられます。
動脈硬化関連:頚動脈エコー、血管年齢、LOXインデックス、頭部MRI・MRA
内臓脂肪関連:内臓脂肪CT
がん関連: 腫瘍マーカー、肺CT、腹部CT、子宮体がん検査
【結果公開】自身の結果から、遺伝子検査の活用方法を考えてみました。
今回私が受けた検査は、GeneLifeの『Genesis 2.0』です。

遺伝子検査でわかること
遺伝子検査で分かることは、
体型・体格の特徴や志向性からみた陥りがちな生活パターンや嗜好
体質や能力、祖先
疾患のリスク
などがあります。
癌は33項目(下記参照)、循環器で32項目も結果が出てきます。

実際の結果
疾患リスクが高いと判定されたのは、循環器と内分泌、そして消化器の3領域でした。
まずは、循環器疾患。

血圧は、既に高いので「やっぱり…」といった感じです。
次に内分泌。

甲状腺は、ノーマークでした|゚Д゚)))
最後に、消化器疾患。

大腸がんは、今まで一度も『便潜血反応』で引っかかったことはないのですが…
父方の祖母と母が大腸がんだったので、「やっぱりリスクは高いんだぁ」と、改めて注意が必要なことを思い知らされました。
今回の疾患リスクの結果は・・・・
ざっくり言って、脳動脈瘤の破裂を含めた脳卒中と甲状腺がん、そして大腸がんのリスクが高い
と、判断しました(´・ω・`)
そこで今年の人間ドックは、脳のMRIと脳血管を見るMRA検査、そして甲状腺エコーを追加することにしました。肝臓はお酒を飲むので勿論心配ですが、今まで通り1年に1回の腹部エコーで十分だと考えました。
大腸カメラ検査は、1日人間ドックでは追加が難しいので、別の日に内視鏡の専門のクリニックで受けることにしました。
腫瘍マーカーは、早期発見にはつながらないとの意見もあるため、あえて画像検査を中心に検査を組みました(´・ω・`)
遺伝子検査の方法

遺伝子の検査は、口の中の粘膜を綿棒でこすり取る方法や、唾液で調べる方法が一般的です。
今回の『Genesis 2.0』は、唾液を提出する方法です。写真のチューブに唾液を入れるのですが、上部が漏斗状になっているため、簡単です。

必要な唾液量はほんのわずかです。
遺伝子検査の気になること
信憑性について
『遺伝子検査』を検索すると、検査の精度に対する疑問を呈する意見も散見されます。
これまで私は3度違う検査会社での遺伝子検査を行っています。アルコール遺伝子と、ダイエットに関係する筋肉のタイプそして脂肪蓄積のタイプなどを調べました。
今回の検査結果と他の会社の結果は、全く同じでした。検査の時期と検査会社を変えても再現性があることから、『遺伝子検査』は、信頼できるのではないかと思います。
アルコール遺伝子に関する記事は、こちらです。

個人情報の取り扱いについて
今回私が検査をしたGeneLifeでは、経済産業省が定めるガイドラインを遵守しており、検査後データの削除も可能です。
まとめ
せっかく人間ドックを受けるのであれば、自分の弱いところやリスクの高い病気をターゲットにより充実した検査にしたいものです。
『遺伝子検査』で疾患リスクを知ることは、『自分の弱いところを、より詳しく検査をする』手がかりになります。
オプション検査を効果的に選択することにより、有益な人間ドックにしてくださいね。