こんにちは。
今日は、人間ドック・健診の問診で、既往歴と治療中のどちらに答えれば良いのか、よく迷う実例について書いてみたいと思います。
くれぐれも、内科や外科など病院を受診する際ではなく、人間ドックや健康診断の際の問診ということを、ご確認ください。
既往歴と現病歴(治療中)の違いについて
『既往歴』とは、ざっくり言って、過去に罹った病気のことです。既に治療が終わった病気を意味します。
『現病歴/治療中・経過観察中』とは、これまたざっくり言って、現在病院に通っている病気のことです。内服中は勿論、主治医のもとで定期的に経過を見ているものも含まれます。
実例① 貧血
『治療中』とは・・・・
- 病院やクリニックから処方された薬(この場合は、ほとんど鉄剤)を、現在飲んでいる場合です。
- 鉄剤を飲んでいなくても、病院やクリニックで検査をしながら様子を見ている場合も、治療中(経過観察中)となります。
ポイントは、医師の指示のもとで、管理しているかどうかです。
ですから、薬局で買った鉄剤や漢方薬を飲んで、毎年の健診で様子を見ている場合は、治療中には含まれません。
実例② 脂肪肝
人間ドックの超音波検査で経過を見ている場合、脂肪肝についての主治医はいませんので、『治療中・経過観察中』にはなりません。
脂肪肝を指摘され、ダイエット等で改善した場合は、治ったという意味合いで、『既往歴』に記載しても良いと考えます。しかし厳密に言えば、『既往歴』に記載するのは、脂肪肝を指摘された際の判定が、精密検査や要治療の状態がよくなった場合を、『治った』すなわち『治癒』として記載します。
ずっと同じ状態の場合は、『既往歴』にも『治療中・経過観察中』にも記載はしません。
施設によっては、『放置』という項目設定がある場合がありますので、その場合は『放置』に書きましょう。
実例③ 高血圧
お薬を使用している病気は、すべて『治療中』です。
ほかに、目の病気の緑内障では、目薬を使って治療します。ですから、緑内障治療用の点眼薬を使っているのであれば、緑内障の『治療中』となります。
実例④ 痛風・高尿酸血症
『痛風』≒『高尿酸血症』です。
典型的には、足の親指の付け根が痛くなるような痛風発作を起こしたのであれば『痛風』治療中となりますが、痛みの経験がなくても、記載項目に『高尿酸血症』がなければ、『痛風』の治療中を選択してください。
逆の場合もあり、病院で『痛風』と言われて内服治療をしているものの、病名の項目に『高尿酸血症』としか書かれていなければ、こちらを選択してください。
実例⑤ 糖尿病
○○病のけがあると言われて、医師からお薬を処方され、内服している場合、当然○○病の『治療中』となります。
まとめ
人間ドックや健診の問診は、結果の判定に関わってくる重要なものです。
異常値や異常所見が出た場合、かかりつけ医のもとで治療をしたり、経過をみて今後の治療方針を検討しているのであれば、「そのかかりつけ医の方針に従ってください。」とうことになります。
かかりつけ医がいないのであれば、異常のレベルに合わせて、治療や精密検査を指示するということになり、問診が判定結果を左右することになります。
正しい判定をしてもらうために、正しい理解のもと、問診票を完成させてくださいね(・∀・)
